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アメリカの「出生前診断」の受け方。カリフォルニアでの体験談

アメリカの「出生前診断」の受け方。カリフォルニアでの体験談

アメリカで妊娠中、 (新型)出生前診断を受けました。

日本で「出生前診断」といえば、高齢出産やハイリスク出産の人が、自ら希望し検査を受けるということになっているようで、友人からは「え、そんなの受けたの?」とびっくりされました。保険も適応外・受けられる病院が少ないようです。

しかしアメリカでは、多くの場合保険が効き、むしろ特別拒否をしなければ、ごく一般的に受ける流れになる検査です。カルフォルニア州だけで、2009-2012年に130万人の妊婦が検査を受け(出典:wiki)、アメリカで出産する日本人にとっても、一般的な検査になってきています。

目次

出生前診断を受ける年齢

アメリカでは、出生前診断を受ける年齢は関係ありません。私自身、高齢出産やハイリスクの心配があったわけではありませんが、普通に保険適応で、受けることができました。

アメリカの出生前診断はいつから?子供の性別もわかる?

私は2回目の産婦人科受診・妊娠10週目に、血液を3本採取し以下の、3種類の出生前診断を受けました。その時に、子供の性別もわかりました。

出生前診断を受けるかとどうかは、いろんな意見があると思います。万が一の結果になったとき、夫婦がどのように考えるか、事前に夫婦で話し合っておくのが大切です。出生前診断は任意なので、希望しない場合は、検査を拒否できます。

カリフォルニア妊婦スクリーニングプログラム

私はロサンゼルスに住んでいるので、カリフォルニア州の法令に基づく、The California Prenatal Screening Program(カリフォルニア妊婦スクリーニングプログラム)を受けました。これはカリフォルニア州の妊婦さんには、同じように案内があるはずです。

実は妊娠中によく聞く言葉、First Trimester Screening / Second Trimester Screeningもこのプログラムの一部なので、“出生前診断”という言葉として認識していなくても、受けている人が多いのではないでしょうか。

説明を受ける際に、詳細のパンフレットをもらいました。

カリフォルニア州の検査方法は3種類

カリフォルニア妊婦スクリーニングプログラムの中では、検査方法は3種類あります。ドクターとの話し合いのもと、どれかになるはずですが、一般的には(1)の血液検査と、ホスピタルで行うNTウルトラサウンドを合わせて判断される方式が一般的のようです。

(1)Sequential Screening
Combines first and second trimester blood test results with Nuchal Translucency (NT) ultrasound results.

→血液検査と、NTウルトラサウンドを合わせて判断

(2)Serum Integrated Screening
Combines a first trimester blood test with a second trimester blood test screening result.

→NTウルトラサウンドをせず、2本の血液検査のみで判断

(3)Quad Marker Screening
One blood specimen drawn at 15 weeks – 20 weeks of pregnancy.

→1本の血液検査のみで判断

プログラムでわかること

カリフォルニア州の出生前診断で調査される項目は以下です。

 診断項目内容
トリソミー21 ダウン症(Down syndrome)
トリソミー18 エドワーズ症候群。染色体異常により発症する先天性疾患群のひとつ。生後の生存率が低い。
トリソミー13 パトウ症候群 常染色体の13番目が3本ある。出産に至るのは4%で、96%は死産・流産となる。
Neural tube defects (NTD)神経管閉鎖障害
Abdominal wall defects腹壁欠損。腸などが外部に出てしまっている疾患
Smith-Lemli-Opitz syndrome (SLOS) スミス‐レムリ‐オピッツ症候群。2〜6万人に一人。アジア人の発症は非常にレア。出典

このような妊婦スクリーニングは、赤ちゃんが疾患を持つ可能性を測るもので、100%の確定診断ではありません。そのため、この結果によって、さらなる検査にすすむかどうか、の判断につかわれるそうです。

出生前診断の費用(カリフォルニア州)

このThe California Prenatal Screening Programの費用は、2018年3月時点で$221.60(採血料とNTウルトラサウンドは含まず)でした。日本では20万円〜かかるといわれているので、くらべると受けやすい金額ですね。さらに私の場合は、保険がカバーしてくれたので、$221.60の支払いは不要でした。

約1ヶ月後にCALIFORNIA DEPARTMNT OF PUBLIC HEALTHから$221.60の請求書が届きましたが、同封されていた保険申請フォームを書いて提出することで、支払いが免除になりました。NTウルトラサウンドの費用はかかりましたが、加入していた保険の規約どおりで、$75のみの負担となりました。

 メーカー製の詳細な出生前診断を受ける

上記のカリフォルニア妊婦スクリーニングプログラムとは別に、私の病院ではメーカー製の検査を2種類受けました。トータルで3種類にもなるため、「なぜ複数の出生前診断をするのか?」と疑問になり、先生に聞いてみました。

先生いわく…

「カリフォルニア州のプログラムは、First/ Second Trimester Screeningで、総合的に判断するもの。もしそこで、ダウン症などの可能性がある場合は、精度が高いメーカー製の個別プログラムでテストをするのが今までの流れでした。しかし、最近では、メーカー製の検査にも保険が効くようになったため、保険がある人には、州のプログラムと同時に、メーカー製の詳細な出生前診断も受けるようにすすめている」

とのことでした。(病院によって、考えが違うかもしれません)

検査(1) 無侵襲的出生前遺伝学的検査

いわゆる今日本でも話題になっている、新型出生前診断・侵襲的出生前遺伝学的検査 (Non-Invasive Prenatal Tests : NIPT Test)というものを受けました。アメリカではCell-Free DNA screeningなどともいわれます。

ブランドによって様々な名前のものがあり、有名なのはMaterniT21、Verifi、Harmony prenatal testなど。私の病院では、「innatal Prenatal Screen」という名前のテストでした。

妊娠初期の細胞分裂のエラーによっておきる、染色体の異常の可能性を調べます。母親の血液を採取し、血中に浮遊する赤ちゃんのDNA断片を採取&分析するため、子供に影響がないのが安心。妊娠10週目以降に、血液検査のみで検査できます。検査の精度は約91-99%と高いです。

 診断項目内容 
トリソミー21ダウン症
トリソミー18エドワーズ症候群
トリソミー13パトウ症候群
** 性別調べるかどうかは任意。赤ちゃんの「性別」がわかります。
*このほか、必要に応じて検査項目が多くなる場合があります

検査(2) 遺伝性疾患の検査

もうひとつは、「preparent CARRIER SCREEN-Trio Panel」という、遺伝性疾患を調べるテストも行いました。これは、自分自身(母体)に、変異遺伝子があるかどうかを調べるものです。

遺伝子は父・母から半分ずつ引き継いでいきますが、夫婦のどちらかが変異遺伝子を持ち合わせていると、4分の1の確率で子供に発症するそう。母が変異遺伝子を持っているケースの場合、遺伝の確率が高くなるため、父の遺伝子検査も行います。人種によっても発生率が異なるようなので、病院によっては受けない場合もあるかもしれません。これにより、北アメリカで多い疾患の可能性がわかるそうです。

本人の遺伝子検査なので、受けるのは基本的にひとり一回。第二子ができたとき、前回テストを受けている場合は再検査はしません。

診断項目内容
Cystic Fibrosis (嚢胞性線維症)【日本】難病指定。白人は25分の1、アジア人は94分の1。
Spinal Muscular Atrophy (脊髄性筋萎縮症)【日本】難病指定。白人は35分の1、アジア人53分の1。
Fragile X Syndrome (脆弱X症候群)【日本】難病指定。人種問わず250分の1。

陽性が出たら確定診査へすすむ

上記のような、血液検査で、可能性を検査するものは「スクリーニング・非確定検査」です。

あくまでも”可能性”なので、結果がポジティブ(陽性)であれば、さらなる「確定診断のための」精密検査のために以下にすすみます。まず血液検査で可能性をチェックし、必要であれば進むという流れになります。任意の検査なので、受けないということもできます。

  • 35歳以上の高齢出産
  • 家族に遺伝的な病気がある
  • 特定の薬を飲んている
  • 妊娠前に糖尿病にかかっていた
  • ハイリスク出産の可能性がある

上記の人は病院から、受けることを提案されることがありあます。

検査名内容
Amniocentesis(羊水検査)妊娠15-18頃。お腹に針を刺し、子宮壁を通して羊水を採取。培養して赤ちゃんの染色体異常について調べる。
Chorionic Villus Sampling:通称CVS (絨毛検査)妊娠11-12週頃。お腹または膣から胎盤の絨毛組織を採取。染色体やDNAを調べる。

どちらも流産のリスクがゼロではなく、出血・破水・子宮内感染の可能性などもあるため、検査まえにはしっかりとドクターと相談したほうがよいです。パンフレットには、上記2つの検査は、「カリフォルニアのプログラムのカバー外」と書かれていたので、費用面についてもクリニックと相談したほうがよさそうです。

出生前診断を受けてみて

血液検査の結果が出るまでは約3日〜1週間ほどでした。

夫がクリニックへ封筒を取りに行き、自宅でドキドキしながら開封しました。結果はすべてネガティブ(陰性)。ホッと安心しました。封筒の表に、受付の人が「Congrats:)」と書いてくれていたのですが、診断結果がどうなのか心配で、意味がわかっていませんでした。笑

私たちの場合は、妊娠した当初から「出生前診断」は受けようと話あっていました。

アメリカでは受けるのが一般的すぎて、病院ではサクサク話がすすんでしまい…家に帰ってから、もう少しゆっくり話を聞いておけばよかったかも、と思いました。気になる人は、大事なことなので、先生とじっくりと相談されたほうがいいと思います。

日本では、まだ血液検査のテストを受けられる場所が少ないようですが、リスクの高い羊水検査の前に、血液検査でテストができるアメリカのプログラムは、”赤ちゃんにも負担が少ないので、良いな”と思いました。

アメリカの保険制度はイマイチですが…こういうリスクマネジメント?は、アメリカはすすんでいるのかも・・。

もちろん、一番気になっていたのは、性別。遺伝子検査なので、100%間違いがないとのこと。日本の友人たちはこういった血液検査は受けておらず、性別は5ヶ月目ごろに超音波の映像で確認したそうです。

血液検査で、妊娠11週目で子供の性別がわかるなんて…医学の進歩にびっくり!!

はやくから赤ちゃんの準備ができるのが嬉しいです。

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