アメリカで国際結婚した場合、結婚後の姓名はどうなるのか、調査してみました。
日本人である限り、結婚したら婚姻届の提出は必要
実は日本政府の人口統計調査では、「日本国内で外国人と結婚した数」は特定できていますが、「海外で国際結婚した人の数」は、正確に把握していません。
なぜかというと、海外で結婚した日本人が、必ずしも領事館に「婚姻届」を提出しているとは限らないからです。
国外で結婚した人は、居住国の手続きは完了していても、日本の手続きをおこなっていない場合があるんです。
ロサンゼルス領事館にも確認したところ、日本の決まりでは、
日本人が海外で結婚した場合、相手が外国人であっても、
「領事館に婚姻届を提出する必要がある」
ということになっています。
でもこれ、厳密には法律ではないので、やっていない人も多い…
その理由は、
- 忘れていた/必要だと知らなかった
- 税金等の関係で、日本では旧姓のままでいたい事情がある
- 離婚したときに、日本の戸籍を傷つけたくない
などです。
わたしの友人は単純に知らなかった、という人もいます。マイナンバーは海外転出すると無効になってしまうため、実はあえて住民票を置きっぱなしで、渡米し恩恵を得ている人もいます。そのほかにも、離婚しても戸籍に傷がつかないから、なんて方もいますね。
以前歌手の浜崎あゆみさんがアメリカ人の人と結婚した際も、「アメリカでは婚姻歴があるが、日本では未婚だから、離婚しても戸籍に傷がつかない」なんて、テレビでも言われていましたね。海外で結婚し、離婚しても、日本の戸籍上は「婚姻届」を出していない限り、独身のまま。だから提出しないというのです。
・・・うん~、でもこれって、どうなんでしょうか?
実際、もし離婚して再婚することになっても、結婚していた事実は変わらないので、私はどっちでもいいのかな、と思っています。むしろ、ちゃんと婚姻届けを出さずに、配偶者(妻)としてのメリットを受けれないほうが嫌だな、、とわたしは思います。
日本の戸籍に「婚姻届」を出すメリット
婚姻届を出さないでいるのが、本当によいのでしょうか? 私はそうではないとおもっていて、「婚姻届」を提出するつもりです。
メリットは、
- 決まりを守っているので領事館にとやかく言われない
- 日本パスポートの更新の際、領事館で手続きできる
- アメリカ出産の子供に日本の国籍
- 結婚後、6か月以内なら氏(うじ)の変更ができる
一番のメリットは、「子供に日本国籍の取得」というチャンスを与えらることです。
海外出産の子供に、日本の国籍を取得させるには、生後三か月以内に出生届を領事館に提出する必要があります。それにより、日本の国籍が発行されるわけですが、この三か月の期間は、法律で決まっていて、三か月を一日でも過ぎると、受付てもらえなくなるそうです。
というのが領事館のルールになっています。出産してから、婚姻届の提出となると、時間的に間に合わないケースもよくあるそうです。戸籍の取り寄せ・郵送に時間がかかったりして、生後三か月の期間に手続きが終えられない可能性があります。
アメリカで国際結婚:結婚後の名字をどうするか
アメリカで国際結婚した場合、姓名の選択肢は、
- 日本の戸籍上も、アメリカの名字にする
- 日本の戸籍の名前は旧姓で変更せず、アメリカでは配偶者の名字を名乗る
- 全く改姓せずに、日本でもアメリカでも旧姓のまま
この3つの選択があるようです。
選択肢①氏(うじ)の変更で、日米ともに新しい名字にする
通常、日本国籍所有者同士の結婚の場合、世帯主(夫)を筆頭にした新しい戸籍が作成されます。そして、もともと入っていた親の戸籍から抜けるようになっています。
しかし日本の現行ルールでは、「外国人は、日本の戸籍の筆頭主にはなれない」ため、わたしのようなケースでは、私(日本人)が戸籍の筆頭主になります。そのため、戸籍のラストネームは、旧姓のままになります。
それだと違和感がある場合もあると思いますし、パスポートの名前と、グリーンカードの名前を一致させたいという方も多いです。そういった場合は、氏(うじ)の変更ができます。しかしこれには条件があり、婚姻届を6ヶ月以内に提出していなければなりません。
【氏(うじ)の変更例】
妻の名前が、山田花子で、夫がザック・エフロンだとします。六か月以内なら、妻が筆頭になった日本の戸籍の名前を、山田花子から、エフロン花子にできる、ということです。そして、そのエフロン花子で、日本のパスポートを所有できます。
選択肢②日本名字とアメリカ名字、両方持つ
「婚姻届」を提出すると、日本語のパスポートに、アメリカでの名字と日本での名字、両方を記載することが可能になります。そうすることで、グリーンカードの表記名と一致させることができます。このパスポートの手続きは、日本のパスポートセンターでも、アメリカの領事館でも可能です。
【両方の名字を所有する例】
妻の名前が、山田花子で、夫がザック・エフロンの場合、
パスポートの表記が、山田(エフロン)花子になる
もし彼が日系アメリカ人のブライアン・タナカだったら?:
その場合は、山田(タナカ)花子 というように、日系の名前でもカタカナで表記されるようです。これを漢字にするにはわざわざ家裁で申し立てする必要があるそうな・・・。
選択肢③結婚後、婚姻届を出さず、ラストネームもそのまま
こちらは、本来はNGになります。問題になりやすいのは、アメリカの入国時、グリーンカードの名前と、パスポート名が異なることが問題になる可能性があります。また、子供を持つことになったら、日本の戸籍に婚姻届けを提出しておかないと、子供に日本国籍を持たせる機会を失います。
大使館/領事館へ「婚姻届」を提出する方法
ロサンゼルスの領事館によると、婚姻届けの提出方法は、来場と郵送の二通りがあります。
- 領事館にある婚姻届に記載(もしくは郵送取り寄せ)
- 戸籍謄本または抄本… 2部(1部はオリジナル、もう1部はそのコピーでOK)
- マリッジサーティフケート… 2部(1部はオリジナル、もう1部はそのコピーでOK)
- マリッジサーティフケートの和訳文(サイトにテンプレートあり)
- 彼の国籍証明できるもの(パスポート・バースサーティフケート)を持参
- 彼の国籍証明できるものの和訳文(サイトにテンプレートあり)
- 私の日本のパスポートを持参
- グリーンカード現物もしくは、今申請中であることを確認できるもの
持参する場合は、夫婦のどちらか一人でも可能です。
郵送で手続きする場合は、パスポートやバースサーティフィケートは郵送できないので、公証人(Notary public)で証明書を取得し、郵送します。それには費用がかかります(約20ドル程度)。日本人のパスポートの郵送は不要です。
あらかじめ「婚姻届」を郵送で取り寄せる場合、大きめの封筒に必要な切手を貼って、アメリカ人との結婚用だと記載の上、送ってほしいそうです。
アメリカ国際結婚で名前変更後しておくべきこと
入国時のトラブルになるのが、パスポートとグリーンカードです。
「グリーンカードの表示名と、パスポートの表記を一致させておくこと」が大事。
*免許書の名前の変更=DMVに行く必要(AAAでは、住所変更までしかできなかった)
*保険証の名前
*クレジットカード
*銀行の変更
は、早めに手続きをしておいたほうがいいでしょう。
アメリカ結婚後の名前変更!することリスト〜まずはMarriage Certificateの入手から〜
また、Marriage Certificateは、あらゆる手続きに必要になるため、余分に発行しておいたほうがいいです。
特にパスポートがまだグリーンカードの記載とマッチしていない場合は、入国審査のゲートを通る際は、それを携帯しておいたほうがいいそうです。
国際結婚での永住権申請の体験談
アメリカ国内で申請する、アメリカ人との国際結婚で、グリーンカードを申請した体験談をまとめました。さまざまなケースがあると思いますが、基本概念は同じだと思うので、チェックしてみてくださいね。