アメリカ人夫と国際結婚し、米国内から永住権(グリーンカード)の申請を行いました。その時の体験談や流れをまとめています。
アメリカ永住権のメリット・デメリット
私のケースは、私(女)が日本人で、彼(男)のアメリカ人の国際結婚です。
私が、アメリカで彼と一緒に暮らし、アメリカ人と同じような生活をするには
「永住権」通称「グリーンカード」の取得が必要になります。
Permanent residentカードなどとも言われます。
永住権(グリーンカード)を取得すると
- ビザ不要で、永住ができる
- 合法的な就労(市民に限られる仕事は除く)
- アメリカの法律や州の法律のもと保護される
- アメリカの法律に従う義務が発生する
- タックスリターンや日本の貯金を申告する義務がある
などが主な特徴です。永住権は、日本人でなくなる訳ではないので、日本の領事館でパスポートの更新なども可能ですし、アメリカ出産の子供に日本の国籍を持たせることもできます。陪審員制度は、グリーンカード保持者は対象外です。
アメリカ永住権は、申請枠によって取得までの時間が異なる
私たちのケースは、国際結婚なので「最優先枠」で提出しました。
◆最優先枠◆
スポンサーが米国市民で、その配偶者 or 21歳未満で未婚の子供 or 両親 に対する永住権の発行
最優先枠は最もプロセスが早く、年間の発行数は制限されていないとされています。そのほかのスポンサー枠(会社経由での申請など)は、年間の永住権発行数が決まっているため、数年単位で時間がかかることがあります。
申請は、アメリカ国内から?国外から?
国際結婚での申請は、「アメリカ国内で申請する」か、「日本から呼び寄せする」かがあります。
私のように、アメリカに滞在するビザ(学生ビザや就労ビザなど)をもっていれば、アメリカ国内で申請ができます。その場合、通常半年から一年で取得できます。(トランプ政権以降は、一年以上かかる可能性があります。)
ビザがなく、日本にいて呼び寄せ式になると、まず結婚のビザ(フィアンセビザや配偶者ビザ)を取得し、グリーンカードを申請する流れになります。この場合、7ヶ月〜1年〜はかかる人が多いです。
となるとですね・・・私の友達でも実際にあった話ですが・・・日本にいて1年近く遠距離になると、申請中に別れるカップルもめちゃめちゃ多いです!!!!汗 日本にいる側は、申請中は簡単に渡米できないため、アメリカ人のほうが会いにきてもらわないといけません。
どちらのケースもですが、移民手続きはかなりストレスフルです。不安になるし、お金もかかるし、お役所仕事は、時間がかかるうえに乱雑で、書類を無くされることもよくあります。「移民手続きって簡単じゃないの?」と思っている人が多いですが、全然そんなことないです。
夫婦でしっかりとお互いを支える気持ちや、移民手続きへの理解がないと、ケンカのもと=別れの原因になります。手続き前にしっかりと話あってくださいね!
グリーンカード申請中なら、ビザは不要?
就労ビザの場合、退社=帰国になりますが、申請当時、私は激務が続き、体調を崩しかけていたので、早く永住権をとって会社を辞めたいと思っていました。
あまり大きな声ではいえませんが、グリーンカード申請を開始すると、ビザは不要になるんだそうです。弁護士さんの回答は、ビザは入国査証なので、私がアメリカ国内で永住権を申請しているなら、ステイタスとしてビザはマストではない、ということでした。
※あくまで当時の話なので、これから申請する人は、確認してくださいね!
ビザステイタスを辞めてしまうと、グリーンカードが届くまでは国外に出られない(ビザが無いので、出国したら入国できない)。もし万が一、グリーンカード取得までに彼と別れてしまったら、不法滞在になってしまう、などのリスクがあります。
アメリカで永住権の手続きをする方法
アメリカで永住権の手続きをする方法は、以下のとおり。
- Immigration lawyer:移民弁護士。コストはかかるが安心
- Legal document assistant:法律書類作成の専門家。弁護士よりも安い。
- Immigration Forms Specialist:移民書類のサポート、弁護士ではない
- 自力で書類作成:コストはかからないが、書類不備などがあると高リスク
政権や情勢によってもどれを選ぶべきか変わっていきますが、なるべく早く確実に手続きをするなら、「移民弁護士」がおすすめです。
私の場合は、③のImmigration Forms Specialist(手続き代行業者)に依頼しました。弁護士のような法的なパワーはないが、書面作成のお手伝いをしてくれる人です。
費用は弁護士よりも抑えめですが、できることが限られます。基本は、ご自身で動く必要が出てくるので、任せっきりにしたタイプや、心配な方は弁護士を雇ってくださいね。
グリーンカード申請にかかった費用
私たちの永住権申請にかかった費用
2016年時点で、国(U.S. Department of Hpmeland Security)へ支払う費用が1490ドル。
手続き代行業者に、上記の書類作成代行などのサービス料として$1000ドル。
トータルの費用は2490ドルでした。
これに加えて、メディカルチェック費用(病院によって異なる)と、戸籍翻訳費用があります。
ちなみに、トーランスの弁護士さんに見積もりを取ったら、書類作成だけで2500ドルの弁護士費用プラス実費なので、合計約4000ドルでした。
これからの新婚生活もあるので、なるべく手続き料金は安くしたかったので、手続き代行業者にしました。
実際には自分で申請することも可能だけど…
実際には、弁護士や手続き代行業者を利用せず、自分で手続きすることも可能です。
しかしながら、結構大変です。専門知識が無いと、かなり時間がかかります。そしてケンカが増えます。
これらの申請書類のなかには、「あなたはモノガミー(一夫一妻)ではないですか?(あなたは一夫多妻制の考えをもっていますか?重婚していませんか?)」「テロリストですか?」などの質問事項があります。イエスノーを間違えるとそれだけで通らない項目があるので、自分ではやらず、専門業者にお願いするほうが安心です。
前の会社で以前働いていた人が、アメリカ人と結婚し、お金をかけたくなかったので、自分で手続きしたそうです。書類の記入を間違ったのか、偽装結婚を疑われてしまい、半年の間、ジェイル(監獄)に入ったそうです…それでもなおアメリカ人の旦那さんは、弁護士を雇ってくれず、なかなか出れなかったとのこと。ワーストケースですが、「偽装結婚」と疑われるとかなり辛い。
永住権申請に必要なもの・書類など
- I-130, Petition for Alien Relative Application
- I-485, Permanent Residence Application
- I-765, Employment Authorization Card Application 労働許可書
- I-131, Advance Parole Application 渡航許可書
- G-325A, Biographic Information Application
- I-864, Affidavit of Support Application
上記は、代行業者に記入を依頼しました。
そのほかに必要だったものは、
①結婚の証明:Marriage Certificate(マリッジサーティフィケート/結婚証明書)のコピー
ロサンゼルスの場合、マリッジライセンスを取得→90日以内に結婚式を行う→Marriage Certificatesを発行という流れです。通常、市役所にマリッジライセンスのピックアップに行って(二人で行く必要)、牧師の前で宣誓をします。その後、Marriage Certificatesを発行してもらいます。市役所で、マリッジライセンスのピックアップをし、その市役所内で、ウエディングセレモニーを行い宣誓することも可能です。
②申請に必要/スポンサーの収入証明
永住権の申請では、外国人のスポンサーというだけあって、十分な収入があるかどうかを証明しなければなりません。私の申請時は、前年度のHHSのPoverty Lineの125%を超える収入があることという条件でした。
彼が学生/無職の場合で、自分が合法的に働いている場合は、自身の収入での申請もできます。両者とも無職の場合、どちらかの両親などにジョイントスポンサーとなってもらい申請もできます。
提出したもの:
最近のPay Stubs (給与明細) 2枚~
Employment verification letter (彼の雇用主にサインしてもらったもの)
Most recent Tax return (ターボタックスは好ましくない)
面接では:
最新のPay Stubs2枚持参しましたが、予め提出していた内容だったので、改めての確認はありませんでした。しかし、お互いの職業の確認、とくにスポンサー(彼)の仕事内容を面接官に聞かれ、私が説明するシーンがありました。
③戸籍謄本または抄本、その英訳
申請には、日本人である人のほうの、戸籍謄本または抄本を、日本から取り寄せておく必要があります。
謄本は家族構成が細かく書かれていて、抄本は本人の抜粋のようなもの。以前に結婚していない、出産歴がない人は、抄本のほうがお得。理由は、英訳サービスに依頼する際、謄本だと文字数が増えて、翻訳料金が高くなるからです。代行業者さんの提携の会社で英訳してもらったので、すぐにサイン付きの英訳証明をもらいました。
面接では:
実際の面接時には、戸籍抄本の原紙&英訳証明書持参しましたが、私の場合は確認されず、提出もしませんでした。
④申請に必要/メディカルチェック
永住権申請の際に、同送したほうがいいものが、「メディカルチェック」です。
書類での申請だけまず行い、面接時にメディカルチェックを持参することも可能ですが、先に提出したほうがいいです。
面接では
実際の面接時には、戸籍抄本の原紙&英訳証明書持参しましたが、私の場合は確認されず、提出もしませんでした。
⑤その他に申請に必要なもの
<アメリカ人・彼・スポンサーの用意するもの>
US passport カラーコピー
US Passportサイズの写真
*離婚した場合は、その証明や子供の出産証明
<日本人・私・申請者の用意するもの>
日本のパスポート
ビザ
ESTA最後に入国した際のスタンプ(パスポート内に記載)
I-94(ネットから取得)
US Passport sizeの写真
* 学生の場合は、I-20(有効期限が切れていても)、OPTなどの労働許可書、離婚証明、子供の出証明
郵送後2-3週間で受領書が到着
戸籍も含め2週間以内で、必要書類は一式そろいました。出生地、過去の結婚歴、両親の名前旧姓、新しく使いたい名前、過去5年間の住所、過去5年の職歴などの情報とともに、手続き代行業者に丸投げで、提出書類はすぐに作ってもらえました。
その郵送した日にちから、12日後の日付で、
I-131/I-765/I-485/I-130
The above application/petition has been received by our office and is in process
4枚の受領書が到着し、永住権の申請を受け付けました!という書面が到着しました。
これで晴れて、グリーンカード申請中の人になりました。
永住権申請中に、不仲にならないために
アメリカ人との結婚によるグリーンカード申請は、お金と時間がかかります。
アメリカ人同士の結婚なら、簡単に、お金もかからず、一緒にいれるのがふつうですよね。
なので多くの人は、「ビザ」や「移民手続き」がどんなに大変で重要かを知りません。
申請には、何千ドルも手数料として支払いますし、手続きには、過去の結婚歴、離婚した相手の名前、収入、タックスリターン(ターボタックス不可)、プライベートな事のことなども詮索されます。
永住権の面接は、「偽装結婚ではないか?」と疑って話をされるのが基本です。業者さんいわく、「俺はアメリカ人なのに、なんでこんなこと言わないといけないのか!」と横柄な態度にでてしまい、面接官に嫌な態度をとってしまい、発行まで遅れてしまうケースもよくあるそうです。
相手は外国人ではないので、当然の話なんですが・・・理解してもらうまでがすごく大変でした。
しかしながら、それを乗り越えることで、より深い絆になっていくことは間違いありません。
アメリカ人との結婚を考えている人は、ビザや永住権申請に対しての”ファクト”を、早めに相手に伝えるべきだと思っています。
感情的な部分はまずおいておいて、「事実」を伝えます。私はこんなに大変なのよ!と言ってしまうと、押しつけがましくなったりプレッシャーを与えすぎて、逆に「グリーンカード目当てなの?」となってしまいます。
私のおすすめは第三者を介して、事実を知ってもらう事。
国際結婚経験者の経験を聞いてもらったり、弁護士や業者の問い合わせを彼にお願いしたり。とにかく第三者からの視点での言葉をいれるとスムーズになりますよ。