アメリカで出産したときの、「出産してから退院までの様子」を、ストーリーにしました。
こちらの④です。
【アメリカ出産・体験談】出産直後
約2日間の陣痛促進剤を使った出産は、体力的にはとてもキツイものだった。出産までにもうヘトヘト。
アドレナリンが出ているのか、その渦中にいるときは、必死すぎてなにがなんだかわからなかった。
エピ(麻酔)をしたままの出産は、いきみの感覚をつかむのがむずかしかったけど、
ドクターやナースたちと一体になって、赤ちゃんをこの世に生み出せたことに、なんだか爽快感すら感じた。
赤ちゃんは生まれてすぐに、ドクターがへその緒をカット。
検査ベッドにつれていかれ、体をふき、もう一方のへその緒は、夫がカットした。
へその緒をカットする瞬間、夫は自分でビデオカメラを片手に、チョキン。
今まで見たことないような感動の号泣をしていた、夫。
夫いわく、ホルモンを切っている感じ!らしい。笑
その間、私のほうはというと・・・
お股がさけた部分をドクターが縫っていた。
3針ぬったらしいけど、痛さはまったく感じなかった。(麻酔もきいてるし)
「胎盤がみてみたい」とバースプランに書いていたけど、結局ドタバタになってしまい、私は放心状態で、見ることができなかった。
だけど、夫が撮影していたビデオのなかに、胎盤が一瞬うつってました!笑
かなりでかい塊・・・なまなましいw
出産してから15分後に、初めての授乳
出産してから15分後に初めての授乳をしました。
ナースがベビーを私の胸の上にのせる。目はまだ見えないけど、一生懸命乳首をさがす姿が愛くるしいっといったら、もう。
まだ出産まもなくて、うまく飲めないので、
ナースが私の初乳をしぼってくれた。
小さなプラスチックのカップにしぼって、スプーンですくってベビーに舐めさせる。
自分の胸からどうやって母乳がでるのか?謎だったけど、
出産すると、蓋がはずれたように、母乳がにじみ出てきた。
ナースが「こんなにたくさん初乳がでるのは本当にラッキーよ」とほめてくれた。
「初乳はゴールドっといわれ、子供にとってもっとも最高の栄養。売る人だっているくらいなのよ」と。
初めてのパパのSkin to Skin
産後しばらくは、体内に残った血を出しきるため、陣痛促進剤のピトシンはそのまま投与された。
その他の点滴や、カテーテル、酸素マスクをはずして、ひとだんらく。
出産後、1時間ほどで麻酔がきれて足がうごくようになった。
その間に、パパのSkin to Skin。
旦那も、上半身裸になって赤ちゃんと肌でスキンシップ。
「一生懸命うまれようとしてきてくれた」ことにすごく感動して、幸せな瞬間でした。
私はあまりにもクタクタすぎたので、旦那がSkin to Skinの時間を長くとれた。
今思えば、ベビーがパパ好きなのも、このときしっかりスキンシップとったからかもしれない。
その後家に帰ってからも、うちのベビーは旦那の胸の上で寝ることがよくあった。
出産後、2時間でリカバリールームへ移動
2時間ほどLDRですごしたのち、車椅子にのって、リカバリールーム(回復室)へ移動。
退院までの48時間は、リカバリールームで過ごす。
室内に、シャワーがあったりシンクがあるのは、LDRと同じ。
プライバシー保護のために、ドアはいってすぐに2重カーテンがある部屋だった。
アメリカで初入院・ナースとナースアシスタント
産後、リカバリールームに移動。
ナースのアシスタントの人が、部屋の使い方などを説明してくれた。
アメリカにはナースのほかに、ナースアシスタントという助手の仕事があるんだそう。看護のライセンスはないため、薬の説明などは答えられないけど、ベッドの起き上がりや、シャワー・トイレの介助などをしてくれる。
担当してくれたのは、自分の親と同世代くらいの60代のおばちゃんたちで、母親になった経験をしたひとたち。
出産直後の身をとても親身になってたすけてくれた。
母乳をあげるサイクルは、1〜3時間に一回。
黄疸治療でLEDを当てることになり、水分補給が通常より必要だったため、シリンジをつかいながら液体ミルクを飲ませる方法をとっていたのだが、これがかなり難しい。そのたびにナースに電話して、きてもらった。
出産後の母体の様子・検査
大きめの赤ちゃんだったので、糖尿病の検査を受けた。
結果は42以上の数値がよいとされているところ、52だったので大丈夫だった。その後も、何回か検査があったけど、すべて大丈夫だった。
スパルタ〜!アメリカの出産直後のトイレ事情
ナースアシスタントに、「トイレに入るとき、最初の2回はヘルプするから呼んで」といわれた。
出産直後は、ベッドの上に起き上がるのもかなりキツイ。お股がいたいし、出血もずっと止まらない。
しかも出産前48時間も誘発分娩で、大きい方ができなかったので、大きい方をしたいんだけど、
力をいれたら傷がひらきそうで怖い・・・
トイレ後は、アメリカにはウォシュレットがないので、簡易ウォシュレットを自前でやる。
そして、網の使い捨てショーツのうえに、大きなパッドを二枚かさねてつけ、
鎮痛用の冷たいパッドをつけて、さらに鎮静剤スプレーをかけて、履くように指導された。
パッドは、産褥パッドというのようなものではなく、ただ単にでかいナプキンって感じ。
最初は介助してもらったけど、なんかはずかしいし、以降は自分で。
これが結構きつかった。
痛みが引かず、腫れている感じもするので、ナースにつたえると「ビックベビーだったからね」と、
パキっと割ると冷えるアイスノンを渡され、これを股にはさんで冷やせとのこと!
なんとアナログ!笑
3針ぬったので、痛み止めにはモートリン:Motrin(市販薬)を投与された。
出産後は便秘になりやすいのでソフトナー(便秘薬)を飲むかどうか聞かれ、1回だけ飲んだ。
産後のケアのアイテムは処方されない
おどろいたことに、アメリカ出産では、産後のケアのアイテムは処方されないということ。
もちろん、必要であれば、処方は可能なのですが、保険の有無もあるので、全員に最初から処方されるわけでない様子。
基本的には、産後の痛み止めなどは、「市販のタイレノールか、モートリンを購入して飲んでください」といわれてびっくり。便秘気味になったら、市販薬で。
病院をとおして処方すると、その分、請求金額も増えるからということのようだ(だけど、保険に入ってたら最終的には変わらない気もする)
お股にはるパッドや、鎮静剤も、病院にいる間にもらった残りは、持って帰っていいけど、それ以外はすべて自分で用意してね。という感じ。
そういうところ、結構スパルタ。
出産直後の赤ちゃんの検査・様子
初めてのウンチは、真っ黒でねっとりした胎便がでる。
私は疲れて動けなかったので、旦那がすべてやってくれた。ナースに教えてもらいながら、初めてのおむつ替え。
生まれたての赤ちゃんは、ふにゃふにゃで、小さくて、ドキドキする。
体重は、両親学級でならった通り、うんちをしたら、出産直後から10%減少した。
起きて泣くたびに、とにかくおっぱいにくわえさせる。
うまく飲めないし、げっぷをっさせてみるも、こっちも怖くて叩けない。
小児科医と初対面
出産した翌日の朝、小児科医と初対面。以前から、指定しておいた小児科医が、リカバリールームにきてくれた。
事前面談はしていなかったので、親のわたしたちとも初対面。アジア系の先生だった。
退院して3日後に、小児科医に自分たちで連れていくことに。日本では、1週間は入院だから、自分たちでつれていくなんてほんと大変。お股がいたくて車に座るのがやっとの状態。
LEDライトの黄疸治療の開始
小児科医がベビーを検診。「パーフェクトっ」っと行ってくれたけど、黄疸がすこしあるとのこと。
そのために、ベビーの血液検査を開始。たくさん血を抜かれて、ベビーが号泣。
痛いから泣く、命にかかわるような必死の泣き方を聞くと、ホルモンの影響なのか、母親の私も泣けてくる。笑
検査の結果、病院にいる24時間、黄疸治療のライトをあてることになった。
15分の母乳をあげたあと、水分不足を補填するために、液体ミルクを1本飲ませることになった。
シリンジをつかった授乳方法
3時間置きに授乳に挑戦。
寝ていても起こして、おっぱいをあげるように言われた。
とはいえ、産後すぐはママの体からはそんなにおっぱいはでない。赤ちゃんが吸うことで次第にでるようになるのを待つのが、母乳推進病院のスタイル。
だけど、黄疸治療をおこなったので、水分補給が必要なため、母乳がでるのを待つのはできない。
シリンジを使った授乳方法の指導があった。
まずおっぱいをくわえさせる(吸う練習)
↓
液体ミルクを注射器にすいあげる
↓
赤ちゃんがおっぱいを吸っている口に、細いチューブを差し込んで、
あたかも自分で吸って飲んでいるかのうようにして飲ませる
↓
これにより、赤ちゃんの吸う力の練習になり、母乳育児ができるようになる。
というもの。
フォーミュラは、1回につき、15ml-20mlをシリンジでのませた。
喉がかわいたようで必死にのんでいる。
アメリカ出産できつかったのは、
ほとんど寝ずに、3時間おきに、起き上がると辛い体で赤ちゃんをささえ、さらにシリンジでミルク投入・・・
これが一番きつかった。
1ヶ月続けた・・・
でもこのおかげで、今や3割くらいしかいないという、「完全母乳」で育てられた。
まだうまく飲めないし、途中で寝てしまって飲みきることができなかったりして心配だったけど、退院前には、ウンチはみどり色になっていった。退院してから黄色になった。
ふにゃふにゃの赤ちゃんは、フットボールスタイルのほうがおっぱいをあげあすくて、ブレストフレンドが使いやすかった。
ラクテーションコンサルタント
私の出産した病院には、ホスピタルに常駐するラクテーションコンサルタント(母乳育児のコンサルタント)がいた。
出産後、病室をまわり、母乳がうまくいっているか、実際に手伝いながら、教えてくれる。
産後24時間は、赤ちゃんにとっては今までとの環境が異なるから、パニックになりやすい。馴染みのある、両親の声と、ママのおっぱい付近にだきよせると、安心するらしい。
胸の中央にのせて、深い眠りにつくまで待ってから、ベッドにうつすようにアドバイスもあった。
この時担当してくれたコンサルタントのところに、産後1ヶ月通ったことで、母乳育児は安定した。
うちの病院は、コンサルタントの利用は完全無料でやってくれた。すごいサービス!
初めてのお風呂
出産した翌日の朝、ナースがベビーを洗ってくれた。
出産当日は、赤ちゃんを拭くだけだったので、髪の毛がべちゃべちゃだったんだけど、
シャンプーしてもらってすっきり。
出産証明の手続き
日本の出生証明書の用紙への記入は、出産直後、旦那がドクターをひきとめて書いてもらった。(重要)
赤ちゃんを取り上げたドクターは、産後以降はホスピタルのドクターや、小児科医が担当するので、出産時にしか会えない可能性がある。すぐに日本戸籍の手続きが必要になるので、そのときに書いてもらうほうが絶対良い。
アメリカ出産の入院中は、休む時間はほぼ無い
アメリカ出産での入院の目安時間は、産後48時間。(帝王切開は36時間)
48時間あっても、リカバリールームにいる間、ひっきりなしに人が検査などにやってくるので、まともに休めない。
少し寝れたとおもったら、すぐにベビーのおっぱいの時間がやってくる。
マジで寝れません。そして、帰宅してリアルな育児がつづく・・・!!(きつすぎ笑)だからこそ、エピ(麻酔)を使って、体力温存しておく人が多いのかも。
出産翌日のお昼間、旦那と私が、病室でノックダウン状態なのを見て、浮かれたホスピタルの産科医が、面白くないジョークを言ってきたんだけど、愛想わらいに反応する気力もゼロ・・・そしたらベビーが、笑うような声をだして相手してくれた。笑
2-3時間もまともに寝ていない状況が続いていたので、旦那がわたしの代わりに、フォーミュラを指であげる方法を、ナースから教えてもらったので、その時だけ少し休めた。
めちゃめちゃ疲れたけど、楽しかったアメリカ出産
以上がわたしのリアルなアメリカ出産体験ストーリーです!!!
ここまで読んでくださった方の中には、きっと、アメリカ出産をひかえて不安を感じていらっしゃる方もおられると思います。
わたしが、今回の出産の感想を一言でいうとすれば
「めちゃめちゃ疲れたけど、楽しかったアメリカ出産」です。
産前2日間も陣痛促進剤でほんろうされ、ほぼ寝ていなかったので、出産後は、ものすごいハッピーだったけど、旦那も私もクタクタでした。
ほぼ4日寝れなかった旦那いわく、「今までの人生の中で、一番(体力的に)キツイ数日間だった」と言っています。笑
ホスピタルから帰る車内、いろんな思いが込み上げて、感動の涙でいっぱいになりました。
初めて親になるときは、わからないことだらけ。
最初の1週間はほんとうに大変です。
アメリカ出産は、病院や家族からのサポートが限られるぶん、旦那さんのサポートは超大事。
日本の感覚で、仕事優先なんかしちゃ絶対ダメですよ!!
女性が一番しんどい時に、手伝わなかった旦那さんは、その後、奥さんに大事にされることは無いでしょう。
(だから日本は、お父さんをボロカスにいう、お母さんが多いんでしょうか?笑)
一緒におなじことをするのではなく、どちらかがやって、その間片方は休む。
夫婦一丸で、なんとか乗り切るのがアメリカ出産。
アメリカでは育児休暇をとる人が多いのもナットク。
出産に立ち会い、命の現場を共有できたのは、私たち夫婦にとって貴重な経験です。
アメリカ出産は、大変だけど、そのぶん一緒に協力できたから、
「旦那と、カップル(夫婦)から、家族になれた」と感じた出産でした。
最初は、海外出産・アメリカ出産は不安だらけだったけど、今は、アメリカで産んでよかったなって思えます。
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【目次】アメリカ出産ガイド!妊娠から検診、出産までの流れ
【妊娠中におすすめ】
– 妊娠初期にそろえたい!アメリカの妊婦マストハブ・アイテム
【アメリカ出産】
– 筆者の実際のアメリカ出産のストーリー(全4話)はこちら