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【アメリカ出産・実体験ブログ③】陣痛促進剤開始から出産まで

アメリカ出産体験記ブログ

アメリカで出産したときの話「陣痛促進剤開始から出産まで」を、ストーリーにしました。

こちらの③です。

目次

陣痛促進剤がはじまる!2段階目(ピトシン)

陣痛促進剤の1段階目であるセルバドールから12時間が経過した。
破水してしまったこともあり、より陣痛促進の効果がある『ピトシン』の投与にすすむことになった。

破水してからは、あまり時間がない。破水から24時間以内に出産しなければ、感染症にかかる可能性が増えると言われた。(その後、抗生物質の点滴をうけるはめに…)

長期戦の陣痛促進のいちばんツラいポイントは…ピトシン投与がはじまると、食事が取れないこと。
次いつご飯が食べられるかわからないので、入院食をもってきてもらった。

AM 6:00 食事
アメリカンなメニューで、ジュースやチョコレートケーキまでついてきた。

AM 7:00 ナース交代
アメリカの病院はほんと寒い。部屋の温度をあげてもらうよう伝えるけど、各部屋で調整できないので、時間がかかる。そしてそんなに暖かくならない。
じんわり痛みが始まってきたが、まだまだ余裕。
『今日生まれるかもしれない』と、出産後の記念撮影のためにメイクしてみる。だけど、片手が点滴でうまくできない。
とにかく片手でなんでもできる環境にしておくのが大事だとおもった。

AM 9:00ピトシン投与開始
モニターを監視するかぎりでは、陣痛は4〜7分間隔できているけど、子宮口はまだ2センチ程度。

ついにピトシン投与がはじまった。

ピトシンは、レベルが1から20まであり、30分に1レベルずつしかあげることができない。

破水しているので、子宮口のチェック(実際に指をいれて確認する)はあまり頻繁に行えず、感染症予防のために、2時間おきに体温のチェックが入ることになった。

アメリカ出産・実体験ブログ 陣痛促進剤

体温計を口につっこむシーンは、アメリカ映画でみたことあったけど、実際にうけるのは初めてだった。舌の下に体温計を差し込まなければならないのを知らなくて、ついうっかりくわえたままで測れない、という失態。外国人なんだから、やり方知らないよ〜(笑)

12:00AM ピトシンのレベルが4に。
ナースが痛みレベル表を見せて、「10段階の痛みでいうならどれ?」と聞いてきた。

1は余裕、10はもう耐えられない・体を切られるような痛みらしい。
それでいうと、3〜4くらいの痛みのレベルというところ。

もうすぐ出産だとおもうと、体力温存のために寝なきゃいけないのに、地味な痛みと興奮で全然寝れない。

陣痛の波がゆるやかに来ていた。

アメリカ出産・実体験ブログ 陣痛促進剤

3:00PM ピトシンのレベル5に。

陣痛促進剤のレベルは上がっているのに、子宮口はあいかわらず2センチのまま。
胎児心拍が上がってきたので、点滴投与量を増加。点滴が落ちてくるスピードが、すごく早くなった。

陣痛が促進されてきて、かなり・・・お腹がいたくなってきた。

私の陣痛を表現するなら、
かなり重めの生理痛が数分間隔でやってくる感じ。。

痛い・・・

このとき、『エピ(麻酔)を受けるかどうか』悩んだ。

陣痛促進剤に抗生物質に・・・アメリカ出産は薬漬けと言われるほど、ある意味で合理的。

ただ、すべて最初から頼るのはどうだろうか。

「本当に我慢できない状況になったらリクエストしよう」というのが、出産前の私の考えだった。

すると、あろうことか、このタイミングで、隣の部屋の人が出産している声が聞こえてきた。

壁一枚で隣り合っているだけのLDRは、隣の部屋の出産の声や赤ちゃんの産声が聞こえる。

隣の人の麻酔(エピ)無し出産だったようすで(タイミングがあわず、効かなかかったのかも)・・・尋常じゃない声が聞こえて来た。

オーマイガーとかの言葉じゃなくて、悶絶の大絶叫の声。
いやもう、これは拷問にあってるんじゃないかというような声・・・

うぁあああああああああああ

というような声に、

ふ、ふ、ふ、ふるえる・・・
こ、こんなに痛いのか・・・

こわくてたまらなくなった。

そんなときに、ナースがやってきて、「そろそろエピ(麻酔)を考えたら?」と言われた。

私はなるべく自然なお産がいい・なるべく薬や麻酔を多用しないほうがいいとおもっていた。
しかし、今のわたしのように、「陣痛はきているけど、子宮口が開かない状態は、エピを使うのが有効」と教えてくれた。

というのも、お腹の痛みを感じたままでは、リラックスできないため、子宮口が開きづらい。

エピを使うと、痛みを感じないだけでなく、リラックスできるから、子宮口の開きが早くなる、ということらしい。多くの人は、エピを入れると、1時間に1センチくらいは子宮口がひらいていく。

「今日エピで出産した別の人は、昼の3時に来て、夜の12時には出産したよ」それくらい時間が短縮できる。

そして、母親も、エピの間、休むことができるからお産に体力を保存できる。

エピは悪いことばかりではなかった。

私は破水もしているので、時間の制限もあるので、

ついに「よしエピ(麻酔)を受けよう!」と決断。

が、エピをリクエストしたら、一点問題がでてきた。

血液検査の結果、私の血液凝固の値がひくく、今になってエピを打てるかどうかわからない。と言われる。

状況を麻酔専門医と相談することになった。

「なにぃ〜」

そうこうしているうちに、担当するはずの、麻酔専門医が緊急帝王切開にはいってしまい、その終わりを待たなくてはいけないことに!!

結局、エピが打てるようになったのは、決断してから4時間後。

その頃には、陣痛でお腹がかなり痛くなってきていた。

痛みレベルは、10段階中6−7くらい。歩くのも、トイレもやっと。

とにかく膀胱がおされるような感じで、おしっこに行きたくてたまらない。

まだかまだかと、待ちわびた麻酔医が病室に入ってきた。

「やっと麻酔をうってもらえる…(ホッとした)」

エピ(麻酔)は、ベッドの端にすわりエビのように丸くなって背中(背骨の隙間)に2回打った。

一発目の表面麻酔は、チクっとしてまわりが熱くなるような感覚がした。

それから痛くなくなり、二発目の麻酔の注射の感覚はあまり感じなかった。

日本で麻酔は、下半身付随のリスクがあるとかいうけれど、

アメリカの麻酔専門医は、それだけをずっとやっているので手慣れたもので。

私の麻酔中にも、他のナースと話しだす、余裕ぶり。こっちは心配でたまらないんですが・・

エピ(麻酔)の効き目は、15分くらいから実感した。

エピを入れると、胸の下から下半身全体が感覚がなくなる。

歩けないし、トイレにもいけないので、尿道にカテーテルを挿入された。

といっても、動けないから、どうなっているか確認できない。

上半身をおこしているベッドに横たわっていると、下半身に力が入らないので、ずるずると下にさがってきてしまう。

【エピ(麻酔)量のコントロール】
もし痛みがつよい場合は、麻酔の量を追加できる。
手元にあるボタンを押すと点滴量が追加されるが、20分に1回しか有効にならない。
オーバードーズ(過剰摂取)にならないようになっていて、1時間に2回までの制限がある。

7:00PM やっとエピが効いてくる。子宮口はまだ2センチ。

ナースいわく、「子宮口2−4センチまでひらくのは時間かかるけど、6センチすぎると開くのがはやくなるからね。明日10センチにひらけば明日うめるわよ。」

11:00PM ピトシンレベルが気づいたら11にあげられていた。

さらに子宮口をひらけるために、足の間にピーナツ状のボールを挟み、横向きで寝る。1時間に一回、左右の向きを変えるために、ナースがやってくるから、ぜんぜん寝れない。5本の点滴に、酸素マスク、おしっこ用のカテーテル、足にはピーナツボールをはさみ、足首はむくみ防止のポンプが取り付けられている。麻酔で下半身が動かないので、1時間ごとにひっくり返される。まさにまな板の上のフグ!!すごい状態。笑

【麻酔(エピ)をうってよかったこと】
麻酔をうってから、リラックスできるようになった。それまでは、とにかく膀胱を押されているような感覚で、5分ごとにトイレに行きたくなって、気が気じゃなかった。エピをうって、カテーテルをいれると、自動で尿が流れていく。感覚はなにもない。膀胱の圧迫が無くなり、リラックスできた。もちろん、常にお股から何か出てる(出血?)感じがあり、ナースがパッドを変えてくれていた。リラックスできてから、子宮口が開くスピードが加速した。

2:00AM
日付が変わって、深夜2時半になると、ついに子宮口が4センチに。
旦那はベッドサイドのソファでうとうと、点滴交換の音楽で目覚める。

5:30AM:ナースが子宮口をチェックすると、なんと大出血(結構おおめ)!!!しかも、子宮口全開&プラス2レベルと生まれるレベルになっていたので、いきなり、人がぞくぞくはいってきた。

旦那は、家で待機していた実母をむかえに急いで帰宅。

まだ旦那が戻ってきていないのに、「いきみの練習するよ〜」と言われて、戸惑う。

「立会い出産したいから、ちょっと待って」と言うと、

ナース「大丈夫、練習だから!」

初産の場合は、いきみがうまくできないから、練習させようと思ったらしいんだけど、出ちゃったらどうするんだよ、と思って、本気だせない私。

LDRのベッドの天井から、手術台のような明るいライトが登場。

お股全開で、天井から照らされ、「え、あれ?もうちょっと足元カバーしてくれないの??!!(プライバシーゼロ感)」

と思うほど、お股全開なのだ。

これは旦那が入ってきたときはずかしすぎると思って、「もっと足元を見えないようにカバーして欲しい」と懇願するも、「今そんなこと気にしてる場合じゃない」と全然カバーしてくれないw

日本の出産のドキュメンタリーとかだとカバーがかかっているはずなんだが!

私の足を掴んで、手前にナースが押すから、それを押し返すように踏ん張る練習。

初産なので、いきみとかタイミングとかがわからなくて必死。

とーにかく、ずっとこれ言われる。笑

「ウンチするようなプッシュ」「5日うんちしてないくらいよ!」「You have to pop!!」

ベットの周りを囲んで、真剣な顔でみんなそう言ってくるので、笑いそうになる。

モニターをみて陣痛がおきるタイミングで、顔に力をいれず、声も出さず、息を吐きながら、強くプッシュ太ももを自分でひきあげつつ、腰は上げないで顔で押さずに、とにかくウンチ・・・というのが、私の「いきみ」の指導でした。笑

7:30AM 練習後の休憩をはさんで、再プッシュがスタート。

「少し頭が見える!」と言われて、いよいよかとドキドキ。でもなかなか通れない。

子宮口がむくんでいて、出口をふさいでいる様子。

子宮口9.5cmくらい開いているのに、あと少しがひっかかる。

ピーナツボール挟みで休憩。

エピ開始からは、何も食べれず飲めない。口に入れられるのは、氷だけ。これがめちゃ悲しい。腹が減って力が出ない・・・

こっちはパワー要るんだから、なんか食べたい食べたい!!

担当医に連絡がはいり、「大きめの赤ちゃんだから、頭がひっかかって出れていないかもね」と言われた。

その場合は、帝王切開になる…。担当医は朝7時にくると言っていたが来なかった。

私「まだ先生は実際に診察してないのに、なんで帝王切開とかいうの!!赤ちゃんの心拍も安定しているし、まだいけるはず!!絶対まだいける!!」

もし帝王切開にするなら、セカンドオピニオンも聞きたい。とおもった。

とにかく帝王切開をすすめる担当医が来るまでに、生まなければ・・・

いけいけピトシン!GOGOピトシン!とにかく量をあげてくれ〜とナースに言う。

12:00PM ピトシンレベル10 陣痛感覚3分

13:00PM ピトシンレベル11 陣痛感覚1〜2分

ナースから「ウンチがしたくなる感じがしたら教えて!それが赤ちゃんが出てくる感覚に近いから」と言われていた。

左を下に休んでいたら、肛門に圧がかかった。

ナースにつたえて、子宮口をチェックすると、「もう頭がさわれるわ!もう生まれるよ」と、ぞくぞく人がやってきた。

そしてここでタイミングよく、いつも通っていた産婦人科の担当医が(やっと)到着。←私が入院してから初めて来る。

『先生キター!!これは絶対、今生まなければ!帝王切開になってしまう!!』

陣痛モニターで、タイミングを見ながらプッシュプッシュ!!

ナースにねじったタオルをわたされ、綱引きのようにプッシュのとき引っ張れーっといわれて、もう、

なにがなんだかわからないけど、必死のプッシュ!!

「頭が半分出てる!!」という旦那の声。

みんなが「baby’s coming!!」と応援してくれた。

あと一回プッシュしたら出るという、最後の力を振り絞る感じで、

これでもないくらい頑張った。

エミリー

そしてベビー無事誕生♡

入院してからほぼまる二日の陣痛促進剤のあとの、無痛分娩での出産でした。すでにこの時でパワーを出し切り!クタクタ!

しかし、産後は休む暇なく、退院までほぼ寝れずに過ごすのでした(笑)

つづき:【アメリカ出産・実体験ブログ④】出産から退院まで

この記事を書いた人

エミリー

LA在住ママブロガー

アメリカ生活12年目。英語力ゼロで単身渡米し、留学・就労ビザ/出版社勤務・国際結婚・海外出産を経験。アメリカの生活・育児情報をリアルな視点で発信中(累計1000万PV)
インスタグラム(エミリーinアメリカ)では1.5万人のフォロワーさんとつながってます
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