アメリカでは出産前に、出産する病院の見学をしておく『ホスピタルツアー』があります。
初めての出産でわからないことだらけ!両親で参加してきた様子をご紹介します。
アメリカ出産をまえに、ホスピタルツアーに行ってきた
ホスピタルツアーとは、その名のとおり、「病院の案内」を受けるツアーです。
アメリカで出産する人の9割は、産婦人科クリニックで診察を受け、分娩はホスピタル(総合病院)で、というスタイルをとります。
参考アメリカで産院・出産スタイルを探す方法(メリット・デメリット)
妊婦検診をうける場所と、分娩をする場所が異なるため、患者は下見が必要なのです!
マタニティクラスは行ったけど、”ホスピタルツアーの存在は知らなかった・行く気がなかった”っという人もいますが、アメリカで出産が初めてのカップルは、学ぶことが多いので行っていおいたほうがいいと思います。
アメリカには、日本のような”陣痛タクシー”もないので、ひとりのときに陣痛がきたら、どうするか(リフトやウーバーでどのように行くか)も考えておくようにしました。
とくに私のような日本人移民は、日本の制度は想像がつくけど、さっぱりアメリカの出産制度がわかりません。実際に見ておいたほうが実感がわきます。そして不安もすこし減る。(すこしだけどw)
産婦人科ドクターからは、”ホスピタルツアーは28週以降にいくと、忘れなくていい”とアドバイスされていました。スケジュールを調べると、私の病院では月一開催で、他の予定日だと予定が合わなさそうだったので、少し早めに行きました。
申し込みは、病院のHPのClassのページから、オンラインで登録し、無料でした。夫婦で行くのが当然のアメリカでは、同伴者の名前も登録しました。
出産を迎えるパパママでいっぱい
ホスピタルツアーなんて、夫婦5組くらいで病院をまわるのかしら?なんて思っていたら、行ってみると総勢100人ほど来ていでびっくり。平日の昼間なんだけど…!!笑
スーパーベビーフレンドリーのホスピタルなので、無料バッフェ形式のランチもついてきました
(無料飯目立ての、メキシカンの子連れが多かった笑)
まるでお祭りのようでしたよ!病院によってはこれほど盛大にホスピタルツアーはやっていないと思います。
▲無料でもらった赤ちゃんギフト
Pre-Admission(入院手続き)登録書を提出
ホスピタルツアーの受付をした際に、一緒にPre-Admission Intake Formというのを記入しました。
こちらは、出産する病院の事前登録のようなもの。保険の情報や、緊急連絡先など患者情報の事前登録をあらかじめしておけるというシステムです。これをやっておくと、病院へ駆け込んだ際、パニックになりながらのサインが避けられます。
書類の中にPediatrician(小児科医)を記入する欄があったので、本来なら、ホスピタルツアー前に小児科医を決めておいたほうがいいかもしれません。私たちは、まだ決めていなかったので未定で出しましたが、決まっていなくても、その病院にいる小児科医がみてくれるそうです。
妊娠・出産についてのガイダンス受講
出産する病院のコンセプト
病院によって制度が違うと思いますが、私の病院のコンセプトなども学びました。
『ベイビーフレンドリー』を推奨している病院で、
- 母乳育児を推奨していること
- 母乳のトレーニングを受けたスタッフがいること
- 母親に母乳の仕方やメリットの教育をすること
- 出産後肌と肌のふれあいをさせること
- 母親に母乳の仕方を教えること
- 医療的に必要でない限り、ミルクは与えない
- 母子同一の部屋で休む
- 赤ちゃんが必要としたときに、母乳をあげる(Baby-led feeding)
- おしゃぶりを使わない
- 退院後の母乳サポートがある
ということだそうです。
少し前に、「桶谷式母乳ですくすく育てる本」をkindle読み放題で読んで以来、できるだけ母乳育児がしたいと思っていました。
なので、出産する病院が母乳育児を推奨しているのは、うれしい。
出産予定の病院の特徴
私の出産予定の病院(ホスピタル)の特徴は以下です。
- Perinatology(周産期の専門医がいる)
- Non-stress test unit(ノンストレステスト機がある)
- OB high risk antepartum(ハイリスク出産対応の産婦人科医がいる)
- Post partum(産後ケアに力をいれている)
- New birthing suites(新しい出産施設)
- Golden hour to promote family bonding time(カンガルーケア)
- 入院中に、ビジター:訪問客を連れて来ることも可能とのこと。
コミュニケーションを取りやすくし、通訳サービスもつけることができるそうです。退院時には満足度を書くアンケートまでとる、至れり尽くせりぶり。
実際にどうかは、また別の話ですけどねw
でも実際に病院(出産病棟)にはいってみると、温和な雰囲気で、怖い印象はなくいい感じでした。
無料のマタニティクラスの提供
私のホスピタルで受けられるマタニティクラスは、全て無料で受けることができます。
- Childbirth preparation(出産準備)
- Breastfeeding preparation and support(母乳の準備とサポート)
- Baby beginners(赤ちゃんの基礎)
- CPR for adults and infants(救急対応)
ほかにも、出産後でも母乳指導を受けることができます。
参考アメリカ出産【両親学級】マタニティクラスを受講して学んだこと・良かったこと
産後を支援するNPO団体の案内
これは病院やエリアによって異なるとおもいますが、産後のママ&ベビーを支援するNPO団体の案内がありました。
赤ちゃんが9ヶ月になるまでの母親と子供のサポートをするもので、サービスエリア内であれば、ナースが自宅訪問ケアをしてくれるほか、エリア外でも病院内でサポートを受けられます。
子供の成長や、栄養、母乳について相談にのってくれ、さらに子供のおもちゃや、授乳マクラ、体温計なども無料で支給してくれるそう。
無料のサービスというのだから、これはすごい!!
The food voucher program
The food voucher program(フード・バウチャー・プログラム)は、妊婦や5歳以下の子供をもつ家庭に、食料の支給をするプログラムだそうです。バウチャー(券)を持って行って、引き換えできるそう。もしかしたら、所得制限があるかもしれませんが、近々やってみようとおもっています。
低所得者向けサポートの案内
MEDI-CALの案内・申し込み用紙が入っていました。別の低所得者向けの食料支援サービスの案内もありました。
出産当日の流れをツアーでまなぶ
ベビーシャワー&ランチ&病院の説明のあとは、グループにわかれてホスピタルツアーで、病棟をまわりました。
駐車場について
陣痛や破水をして病院についたら、通常営業時間のときの入り口&営業時間外のときの入り口の案内がありました。この情報がいちばん大事!!
駐車場は、入り口目の前のバレーパーキング(有料)に止める方法と、別の駐車場なら3日パス券で安くとめれる方法があると知りました。一番パニックになる時なので、最初からどちらにとめるかイメージしておくと、役立ちます。
受付する
病院の中に入ったら、まず受付カウンターで「チェックイン」をすること。
2階が陣痛〜出産をする部屋があり、3階は入院の部屋になっていました。
病院の施設
病院内には、カフェテリア、自動販売機、ATM、公衆電話、待合室、子供が遊べるプレイルームなどがありました。
付き添いで来てもらう旦那や母が休める場所があるのかと心配でしたが、待合場所も数カ所ありました。病院内にカフェテリアがあるので、付き添い者の食事は外に出なくてもなんとかなりそうと、ひと安心。
この病院にはNICUもあり、ハイリスク出産・新生児へも対応していました。
▲売店には赤ちゃん用品が充実してました
LDR(Labor, Deliver, Recovery)
アメリカの出産では、日本のように分娩室に移動する、ということせず、陣痛〜出産〜回復を、ひとつの部屋で過ごします。
陣痛がきたら、この部屋で出産するのかーとドキドキ。
部屋の大きさは、結構ひろくて、トイレ・シャワー・シンク(赤ちゃんを洗うのかな?)がついていました。
▲このシンクでは、ナースが手をあらったり、入院中赤ちゃんの頭を洗ったりするのもここでした(産後追記)
メインのベッドがあり、小さいソファ(足が伸ばせるもの)がひとつ、椅子が2つありました。引き出しキャビネットひとつ。
出産後1時間くらいは、このLDRで過ごして、その後、上の階層の入院室へ移動するそうです。
▲左にある台が、赤ちゃんをとりあげたらすぐに置かれるベッド
入院室(Postpartum Room)
入院室は出産の階層と異なる階なので、かなりしずかで暖かい雰囲気でした。退院まではこの階層ですごします。
見て回ったときの時間がお昼の1-3時は静かにする時間(赤ちゃんのお昼寝タイム)でした。
その時は空き部屋がなく、中はみることができませんでしたが、おそらくLDRと同じ感じです。すべてプライベートルームだそう。
アメリカでは普通分娩の入院期間は48時間なので、すぐですね。
授乳のサポートに力をいれている病院なので、母乳のカウンセリングもここで受けることができます。
セキュリティ対策
病棟間の移動は、連れ去り対策でセキュリティが厳重になっていました。生まれた赤ちゃんには、バンドが付けられ、そのバンドをつけたまま移動するとアラームがなります。
通路は、防犯カメラ写され、簡単に不審者がはいってこれないようになっていました。
産後専用の出口・カーシート
産後専用の出口がありました。そこに車をとめて、赤ちゃんを初めてカーシートに乗せて帰宅です。退院時、赤ちゃんはカーシートに乗せて乗車させることが義務付けられており、正しくカーシートが装着されていないと病院から帰らせてもらえません。
ホスピタルツアーの感想
こんな感じで、初めてのホスピタルツアーは終了しました。
行ってみた感想は、かなりカジュアルなツアーだったので、「もうちょっと詳しく説明を受けたかった」というのが本音です。上記を参考に、質問はさきにまとめておいたほうがいいかもしれません。
ホスピタルツアーは旦那さんに病院まで連れて行ってもらう予定であれば、絶対に一緒に行っておいたほうがいいです。
旦那いわく、「行ってみると想像がつく」とかなりイメージが湧いたようでした。