アメリカで出産したさい、自分がどのような出産を希望するをつたえる「バースプラン」を作りました。
バースプランは、任意(オプション)なので、絶対にないといけない訳ではありません。ですが、自由意思の国・アメリカの医療をうけるさいは、しっかりと意見をもって臨むのは、大切なことだと思い、準備しておきました。
伝わる、バースプランの作り方
アメリカ出産にむけて、バースプランを作るまえは、”下調べ”がとっても大事。
ドクターの考え、アメリカ式の考え、日本式の考え、自分の考え、親の考え…
出産に関する考え方は、人それぞれ、本当にバラバラです。
アメリカの医療行為は、合理的な側面があり、一部では、医師や病院側の都合で、麻酔の使用が多かったり、帝王切開率が高い(全体の約3割)といわれることもあります。
予定日が遅れたとき、陣痛促進剤の使用ををギリギリまで待つのも、早く行うのも、危険がない限りは、妊婦本人がえらべます。アメリカ出産では自分で判断を下すことが大事だということです。
私は誘発分娩で、帝王切開を勧められそうになりましたが、どうしても自然分娩がいいと、ギリギリまでふんばりました!!意地でもっ!!
アメリカではどんな出産スタイルを選ぶのか、妊婦自身が決められるぶん、責任も自分自身。
もちろん、すべてが叶うわけではありません。例えば、点滴(IV fluids)の拒否は安全上、許可しない病院のほうが多いようです。
とはいえ、しっかりと自分がどうしたいかをまとめておかないと、主張さえできない、というのがアメリカです。
バースプラン設計の前に考えておくこと
バースプラン設計の前には、パートナーと話し合いをしておくのがオススメです。
- 自然分娩なのか、計画分娩なのか?
- 無痛分娩を希望する?
- 陣痛促進剤の場合、どこまで待つ?
- 母乳育児やSkin-to-Skinを希望する?
- 希望する出産スタイルがある?
- 子供の名前はどうする?
- プロの写真家を雇う?自分たちで撮影?
- 割礼をするかどうか?(男子の場合)
まず、上記はバースプラン設計に入るまえに、お互いに話しておくといい内容です。仕事復帰時期などの理由で、予定日が遅れた場合は、いつまで待つかなど、意見を合わせておくと焦らずすみます。
その後、ある程度方向性が決まって来たら、具体的にゆずれないことを明らかにしていきます。
The Bumpでは、バースプランを考えるうえで必要な項目がリストになっていますので、何がOKで何がNGなのか、具体的にしていくことができます。
しかし実際出産してみると、このまま提出するのは、現実的には難しいのかな?と思います。
というのも、このようにリスト状ににして提出しても、当日忙しく入れ替わるドクターやナースが、バースプランにきちんと目を通してくれるとは限らないということ。
…なんせ、アメリカですから!!(^^;;
私は誘発分娩で、出産の前に48時間入院していたので、当然ナースは交代します。私の出産した病院では、朝の7時が勤務交代でした。4日入院した間、毎朝新しいナースが交代の挨拶にやって来ました。ナース同士で引き継ぎはされますが、完璧ではないので、大切なことはもう一度、直接伝えたほうがいいです。
なるべく、絶対に譲れない事項を、完結でわかりやすく、1枚にまとめるほうがおすすめです。(以下にまとめました!!)
とある人は、当日は数枚のコピーをもっていき、「バースプランをナースに渡す際は、その都度チョコレートなどのプチギフトなどを添えて…」印象つけていたそうです。(根回ししないと、うまくいかないアメリカのバースプラン。。)
そうすべきと思うことを書くのではなく、自分の要求をしっかりかく
分娩を助けるものとして、「音楽をかけたい」「持参した服を来たい」などは、それは自分でできることです。
その都度、そのリストをナースに見せても仕方ないので、私がぜったいに譲りたくないと思った項目だけを絞りました。
コンセプトは以下です。
◆経膣分娩希望!できるだけ、自然な方法でお産をすすめたい。だけど、麻酔(エピ)の利用はありとする。日本で、無痛分娩が普及しないのは、24時間スキルの高い麻酔専門医が常駐できないという理由があるためですが、アメリカのホスピタルではこれが可能。無痛分娩をうけやすいのは、アメリカ出産の最大のメリットです。もっとも効き目があるといわれる、アクティブステージ(約6−8cmの子宮口くらい)のときに、麻酔を使いたい。エピを使うまでは、動けるうちは動いて気を紛らわせたい。点滴も必要になるまでいらない。
◆部屋は寒くしないで。寒いと子宮が冷えて痛みが増すため。友人いわくはアメリカの病院の空調が寒くて辛かったそう。私も分娩当日は、やっぱり寒かった…。
◆胎児のチェック(fetal monitoring)は適宜やる。これをやりたくないと希望する人の理由:分娩時に赤ちゃんにへその緒が巻きついていることは多くあり、問題出ない場合も多いがアラームがなってしまうため、帝王切開に繋がりやすいのを避ける意味らしい。私は心配性なので、つけていたい。
◆陣痛促進剤は、できるだけ使いたくない。予定日が過ぎてもギリギリまで待つ。自然療法や卵膜剥離(子宮口グリグリ)はやってもいいけど、特に副作用の強い、ピトシンは使いたくない。さらにエピも打って…のアメリカ式陣痛促進・薬漬けでの出産はできるだけ避けたい。
◆会陰切開はしない。最近のアメリカでは、会陰切開をせず、自然に避けるほうが治りが良いというのが主説に。私の病院は、基本は会陰切開しない方針でした。
◆胎盤は自然に出てくるまで待って欲しい。そして胎盤の脈動がなくなった後、旦那にへその緒を切らせてほしい。少なくとも30秒から1分は待ってほしい。(新生児黄疸が減るといわれている)
◆すぐにSkin-to-Skinコンタクトをして、母乳をあげたい。産後のボンディングタイムを優先。めっちゃできました。
◆赤ちゃんは洗わないで欲しい。アメリカではへその緒がとれるまでは、スポンジバス。
◆新生児のチェックアップは目の前でやってほしい。(Heel prick, eye ointment, vitamin K shot, hepatitis B)
上記が私のメインコンセプトになります。
実際にバースプランを提出してどうなったか?
私の出産の際は、2日も誘発分娩で入院していたため、夜勤のナースが(たぶん時間があったからだと思うけど)、1時間くらいかけて、バースプランの内容を聞いてくれました。そのときじっくり話せたので、私たちの不安なことはほぼ解消されてよかったです。
しかし、ホスピタルのナースたちは、12時間サイクルでの勤務でした。つまり、12時間たつと、別のナースに交代になります。その都度、バースプランの内容は、口頭でひきつぎされていきましたが、やっぱり、完璧に引き継がれてはいませんでした!!
わたしたちの強い希望「帝王切開はできるだけ避けたい」などは、分娩の進行とともに、自分たちで発言できていたので大丈夫でしたが、
「プラセンタを見てみたい」というのは、分娩の際は、自分たちも必死すぎて忘れていました。ナースもそれどころじゃない感じ・・・。(たまたま撮影したビデオに映っていたので、見れました)
強い希望があるなら、入って来たナースたちに、かなり強めにバースプランは伝えておかないと難しそうです。でも、出産時はこっちも余裕がない!!ので、旦那さんに言ってもらうのがいいかもしれません。
バースプランを旦那さんと一緒に作ったので、彼が私の希望を理解してくれていたので、よかったです。
アメリカのバースプランのテンプレートを作りました
今後、バースプランを考える人のために、重要なコンセプトサンプルと、日本式での重要事項をまとめました。
Labor preferences (分娩時の希望)
◆Would like the Husband and mother to attend the labor & delivery
出産時は、母と夫に立ち会ってほしいです
◆Request for personal photography and videography in the L&D Room
個人的に写真とビデオを撮りたいです
◆Since 名前’s (mother of child) english is very limited, the Husband must be present at all time to translate for the mother and the hospital staff/nurse/doctor
名前(母親の名前)の英語は限りがあえるので、病院のスタッフ・看護師・医者と話す際は、通訳するために夫が同席していること
<YES>
◆Do not use Air Conditioning (if possible) or keep the room no lower than 75F
可能であればエアコンを使わないで欲しい。もしくは75度以下の部屋がいい
◆Keep us updated on the progress of the labor & Baby
出産と赤ちゃんの様子をアップデートして教えてほしい
◆Requesting Vaginal Delivery
普通分娩を希望
◆Request for Epidural
無痛分娩(エピ)の使用を希望
◆Would like to help lead the breathing & pushing
呼吸といきみのリードをしてほしい
◆Would like fetal monitoring frequently
胎児モニタリングは適宜してほしい
◆Would like to move/walk around without IV during the first stage of labor
出産の初期段階は、点滴なしで、歩いたり動いたりしたい
<NO>
◆Unless it is completely necessary, we do not like to do the following ;
本当に必要で無い限りは、以下のことはできるだけ避けたい
① Forceps or Vacuum extraction (鉗子分娩、吸引分娩)
② Artificial rupture (人口被膜)
③ Inducing Labor by using medication (薬を使っての陣痛促進)
④ Episiotomy (会陰切開)
⑤ Use of any medication (薬の使用)
⑥ Cesarean Section (帝王切開)
We would like to know the Benefit, Risk and Alternative for any medical suggestion.
そういった医療行為の提案がある際は、ベネフィットとそのリスク、代替え案を教えて欲しいです。
上記はもっとも重要なところです
After delivery (出産後の希望)
◆Would like the placenta to come out naturally (would like to see it when it does)
胎盤が自然に出てくるのを待ちたい(見たい!)
◆Do not wash/bathe the baby
赤ちゃんを洗ったりお風呂に入れないで欲しい
◆Would like the father to cut the umbilical cord (waiting 30 seconds to 1 minute after, or when the cord stops pulsating after the baby comes out)
赤ちゃんの父親にへその緒を切ってほしい(胎盤とへその緒の鼓動がとまるか、少なくとも30秒から1分は待って、へその緒を切りたい)
◆Would like to have all APGAR, screening test, medication, injection (Vitamine K & Hepatitis), done in the same room
赤ちゃんの新生児のチェックアップは母子同室でやってほしい
◆Would like to have skin to skin contact and breastfeed immediately
産まれたらすぐにカンガルーケア、母乳をあげたい
◆Request for circumcision
割礼希望(男子の場合)
◆We need the following information filled in our Parental booklet (For Japan use)
日本の母子手帳のために以下の項目を教えて欲しい
① Delivery date/time (出産日時)
② Length of Labor (分娩時間)
③ Amount of bleeding (出血量)
④ Doctor’s name (取り上げた医師の名前)
⑤ Baby’s Weight, Height, Chest Circumference, Head circumference (赤ちゃんの体重、身長、胸囲、頭囲)
◆We need the doctor who delivered the baby to fill in a form in order for us to receive a Japan Birth Certificate for our baby.
日本の出生届けのために、子供を取り上げた医師記入してほしい書面があります。
日本の戸籍も取らせるなら、上記は重要です!
日本式で必要なもの
私はアメリカでも日本式の母子手帳を記入してもらっています。「出産の状態」「早期新生児期の経過」「予防接種の記録」は、出産直後、入院中に記入してもらいました!
日本の出生届を出すためには、あらかじめ領事館から取り寄せておいたフォームに、分娩を担当した医師に直筆でかいてもらう必要があります。
バースプランテンプレートのダウンロード
上記の私の希望をまとめたものを、エクセルにいれました。もし、同じようなご希望の人がいれば、テンプレートとしてご自由にカスタマイズして、作ってみてくださいね!
▶︎▶︎アメリカ出産用・バースプランテンプレート(無料ダウンロード)
印刷用紙サイズや文字装飾は設定していませんので、加工後は希望のサイズに調整してください〜。とにかく一枚のページにまとめ、強く意思表示するのが大切です。